孫の保育園の送り迎えと買い物のために、ここ南イタリアでもわたしが車を運転する予定なのだが、着いた直後の数日は、さすがに助手席に座って慣れるだけ。だって、日本と違うことがあり過ぎ。土地勘だってありゃしない。2年前にも来て運転してはいるものの、当時の感覚は忘れてる。
基本的にヨーロッパ大陸の車はマニュアル車。オートマチックではないのだ。日本でも農家の軽トラックはマニュアル車だから、わたしはまぁ、慣れてはいる。しかしこのプジョーはセカンドギアでは発進できないし、バックギアに入れるには一度ギアのノブを引っぱり上げなければならない。
イタリアで車が走るのは、当然ながら道の右側。道の左側を走る日本とは、かなり勝手が違う。こっちには交差点の代わりにロトンダ(ロータリー)と呼ばれる、環状の道をグルリと回りながら行きたい道に入って行く仕組みもある。そして、道端への縦列駐車が日常的。以前ミラノに住んでいたときも、車の運転にはいろいろ苦労したものだ(ミラノで乳がん切りました/九章)。
「見学期間」が終わると、さぁ、おっかなびっくり実地の運転開始。最初は息子か嫁さんかが同乗して、助手席で教官役を務めてくれる。
おっとー、交差点の真ん中でエンストしたよ。
あいや~、反対車線を逆行してしまった!
ん? 縁石に乗り上げた?
あ、車に鍵をかけるのを忘れてた。泥棒のいいカモ。
そのたびに「指導教官」から、気をつけて、と叱られる。ハイハイ。
4日目からは一人で運転し、10日ほどたつと、やっと肩の力が抜けて、多少スピードも出せるようになってきた。しかし、慣れたからと油断すると事故のもと。今日もしっかり注意して、慎重に行くぞ!