Monthly Archives 11月 2020

仔猫

自然・動物・農業

近所の人から、「通い猫が仔を産んだが要らないか?」と聞かれて家族で見に行った。雄は活発過ぎる傾向があるからウチは雌猫に限ることにしている。が、「この仔は雄らしいよ」と言われたにもかかわらず、みんな猫好きだから、一度見て抱いたらもうメロメロになって抵抗不能。飼うことになった。

長毛種みたいで、髭(ひげ)がやけに長くて立派だから、名前はバロン(男爵)と決定。母猫はフツーのキジ猫(縞柄)で、「父猫はあれよ」と別の近所の人が指さす黒白猫は短毛。ハテ、この辺りで長毛種の猫を見かけたことはない。バロンの長毛の由来は不明のままだ。

来た時は生後2カ月。動きがなんともトロく、「こいつひょっとして、どっか異常があるんと違うやろか? ちとバカじゃなかろか?」と首をひねるほどだった。ひどい目やにで目は全開せず、目つきはドヨン。正直なところ、不細工。しかしなんとも言えない愛嬌がある。「ブサ可愛い」とはこのことか、と心底納得した。

この写真はウチに来て2週間後。目薬が効いて目はパッチリしてきた。

とにかく仕草が可愛い。人間でも犬猫でも、幼いうちはただ歩いていても、座っていても可愛い。「あんたもう大きゅうならんこと」と言ってみるが、そうもいくまい。甘えん坊なのがまたいい。人好きで、おとなしく抱っこされている。

参ったのは人間が寝こみを襲われることだった。

わたしが仰向いて寝ていると、首の上をバロンが何度も右から左、左から右へと歩いて横切る。まだ体重は軽いし、フワフワの柔らかい毛並みの感触は極上なのだが、こっちは目が覚める。あげくの果ては延々わたしの耳を舐(な)めて、ピアスを引っ張る。耳たぶを噛む。

勘弁してくれ。