コンピュータ、インターネット、そしてスマホの普及で世界は変わった。ましてコロナの時代では、何でも対面よりオンラインでやってしまう。医薬業界もその流れに乗って、いろんなアプリを出している。病気の診断アプリなら、症状など当てはまる項目に〇をつけていくと、可能性の高い病気やふさわしい薬の名前がわかる仕組みだ。
わたしにも「患者支援アプリ」の和訳が回ってきた。
患者がこのアプリに登録すると、毎日2回の薬をのむたびに項目をクリックしてのみ忘れを防止し、病院・薬局側にも服薬情報が届くとか、診察予約日時の前にリマインド(お知らせ)がもらえたり、いつもの薬が切れるころに薬局から配達されたりする(アメリカなら、かな)。
アプリの内容は対象の病気別に分かれていて、抗がん剤治療を初めて受ける人には、動画つきで全体の流れや副作用、よくある質問への答えを教えてくれる。糖尿病やてんかんでずっと治療を続けないといけない人には、「治療疲れ」対応に、同じ患者仲間が体験やアドバイスを語ってくれる。患者を支える家族用バージョンだってある。
なるほど、便利そう。製薬会社が儲けるために作っているとは言えるだろうけど。
ただ、 翻訳するとなると、 ネット関連の用語は新しいものだらけ。
「プラットフォーマー」って何? 簡単に言えば、そのアプリの提供者。「サービス基盤提供者」などと下手に日本語にするよりは、そのままカタカナ語の方がいいらしい。翻訳屋として芸がないという気もするが、プラットフォーマーという日本語がすでに定着しているのだからしょうがない。和製英語らしいけどね。
こんな仕事をしてるおかげで、わたしも時代に遅れずについていけるわけだ。