この2月と4月は「月のしおり」を書くことができなかった。暗くて寒い冬の終わりに鬱っぽくなるのは毎年のことだが、今年はとりわけひどかった。
理由は自宅のリフォーム関連の片づけ。
リフォームする部屋は、一度空にしなければならない。解体する長屋もだ。家財を移すついでに不用品や親の遺品を処分しよう、と決意したのはいいが、わたしは物を整理するのも捨てるのも大の苦手。苦手なことをするのはツライ。
今住んでいる亭主殿の実家には、昔冠婚葬祭をみーんな自宅でしていた名残りで、客用のお膳や食器が20人前×2組あった。もらい物で未使用の寝具は20箱、梅干しが5壺、鋏(はさみ)は10本(なんで?)。そして大量のアルバムや衣類、古い農機具。はては馬の鞍。
ほとんどは捨てて気に入ったものだけ残す、その選別に時間がかかる。ケチだから、売れそうなものはリサイクルショップに持って行く。幸い、元々骨董専門だった地元の店は全部引き取って、毎回3,000円くらいくれた。
なんとか整理と処分を2月に終えてわたしの実家に一時移住した時は、夫婦して疲労困憊していた。だが、ああ、移ってみると、実家にはわたしの親の遺品がたんまり残っていた……。
母は江戸期の文学を研究する学者だったから、床から天井までの本棚が12ある。専門書は、コロナが落ち着いたら神田から古書店を呼んで売ろう。(売れるといいな!)
おもしろい発見もあった。わたしの祖父と祖母の日記が出てきたのだ。どちらも大正から昭和にかけて書かれたらしく、変体仮名が多くて読みにくいが、これはとっておかねば。
7月にやっと片づけが終わりかけてくると、気持ちがいい。
今度はわたし自身の断捨離か⁉