このカボチャの根は右側にある。去年食べたカボチャの種を生ゴミとして捨てた後から生えた。
捨てたといっても、ただ地面に種を置いたのではない。底のない蓋付きの筒型容器を地面に据えて、中に生ゴミをポンポン入れ、自然に戻す仕掛けを使っている。通称コンポ。生ゴミを燃えるゴミで出して処理するよりはるかに省エネで、今流行りのSDGsそのもの。
ただし、自然に戻すということは、自然界の掃除屋さんである虫や微生物の力を借りて分解するということで、初めて中を覗(のぞ)いた時は、ハエの幼虫がうじゃうじゃいるのに悲鳴をあげた。そう、自然は必ずしも美しいものではない。しかも周囲は多少臭うから、家の敷地が広くないと無理。
毎年カボチャを食べて種を捨てるが、いつも芽が出るとは限らない。今年は運よく早めに芽が出て、コンポの栄養分を肥やしにすくすくと蔓(つる)が伸びた。全部で何メートルあるのかしらん?
盛大にからみつかれた松はいい迷惑だ。
このカボチャの葉のつけねからは雌花か雄花かが1つずつ出ている。数えてみると雄花5つに雌花1つの割合。雌花の根元が太くなって実になるが、ほとんどは途中で腐って消える。
今は、写真の左中央と右中央とに大きい実が1つずつ見えるほかに、しっかりした小さい実が5個はあった。豊作だね。
7月初めにこれだけ実が大きいと、これからしっかり陽を浴びて8月には中が濃いオレンジ色に熟れるだろう。味も濃くて甘いに違いない。果物だけでなく、カボチャも完熟か未熟かで味が全然違うのだ。
今年は楽しみ。
松さん、それまで辛抱してね。