以前住んでいた茨城県では、夏祭が盛んだった。お神輿ワッショイに合わせるお囃子の太鼓の音が、市内あちこちから聞こえてくる。しかし今住んでいる山口県では、夏祭は神事に近く、陽気に騒ぐものではない。ウ~ン、これはどうしても茨城まで行って、お囃子の太鼓を叩かねば。
花形はやはり大太鼓。
見た目が大きいから目立つし、音も身体中にズンズンと響いてくる。
練習でお囃子会のメンバーが叩いていると、それぞれ特徴がある。ガタイのいいカッちゃんの音はひたすら力強い。お囃子命のシゲ君はめちゃくちゃキレがいい。冗談大好きなユウちゃんはリズミカル。真面目なタラ君はまじめな音(でも今年は前よりずっとメリハリがある)。
で、わたしの音は……残念ながらボヨンボヨンと締まりがない。こりゃダメだ。
大太鼓を始めた頃は、最後までまちがえずに叩く、しか考えていなかった。それが最近やっと、自分の音をちゃんと聞いて、良い音を出したいと思うようになったのだ。力強く、しかもキレがいいといいなぁ。
コツは何だ?
まずは中指・薬指・小指の「締め」だろう。叩く瞬間、この指3本をしっかり握る。む、これで多少音の締まりがよくなった。
そして腕に力を入れる。よし、少し音が大きく力強くなった。
次は?
自分の映像を撮ってもらい、男衆(おとこし)の動きと比べて初めて気がついた。わたしはバチの振り上げが小さい。ムムム、リズムに合わせてバチを大きく動かすには筋力が必要。還暦をとうに過ぎたわたしには、ちとキツイか。
そしてわたしは手首が硬い。太鼓の革の表面でバチを弾(はじ)き返せるようになると、音のキレがよくなる筈。
来年も元気に大太鼓が叩けて、もう少し進歩するといいな!