月と猪

猪ハンティング 自然・動物・農業

ふだんは犬の散歩に夕方出るのだが、深夜になることがある。今夜は満月に近い月が明るくてきれい。が、珍しく白い霧が出ている。ド田舎のこととて人っ子1人、車の1台も通らず、道の真ん中を堂々と歩けるのはいい気分。

不意に、ブホッと音がした。

わたしは驚いて5センチほど飛び上がった。辺りを見回すと、おぼろな月明かりの中で大きめの何かが、少し離れた田んぼのあぜ道をかなりの速さで一直線にかなたへと移動しつつある。

猪だ。

まさに猪突猛進だった。

傍らの犬2匹を見ると、毒気を抜かれたように、ただ突っ立っている。これが小さい猫や狸(たぬき)、鼬(いたち)だったら、いつも騒ぎ立てて追いかけようとするのに、さすがにでかい猪相手では迫力負けしたか。

猪はこの辺りではフツーに見かける。危ないと思ったことはない。野生動物が人間を襲うのは、たいてい人間から襲われると感じた時で、彼らにとっては正当防衛である。ただし「子連れの猪は過剰防衛に出るから注意したほうがいいよ」と言われる。そうでなければ、猪のほうから人間を避けていく。彼らだって危険は好まないのだ。

猪が一番困るのは、刈り入れ前の田んぼを歩き回って、稲が倒れてしまうこと。食べ物のミミズを探して、あぜ道をほじくり返されるのにも、田んぼの水が抜けるので困る。畑の作物もやられる。ウチの筍も今年1本食われた。その意味で猪は害獣で、猟友会の人が狩る。猪肉をもらうと、カレーにすると美味い。

実はわたしは猟銃免許か罠(わな)免許を取得して、猪を捕ってみたいものだと思っている。おもしろそうだし、害獣駆除に役立つではないか。さぁ、いつする?

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