筍掘り その3

料理・食べ物 自然・動物・農業

筍のえぐみを取るのには糠(ぬか)を使う。重曹でもいいが、糠なら精米の際にタダで手に入るから。

この釜の中には10本ほどの筍が入っている。小さい筍は、山で採ったときには30センチあったのに、縦半分に切ってみたら重なった皮が20センチ、中身の筍は10センチしかなかった代物だ。

不思議なことに、イヤ当たり前というべきか、筍が山に生えているときには中身がどれだけあるか、まったくわからない。切ってみて初めて、これならもっと土を掘って下のほうから切ればよかったのに、と惜しくなるが、一時に30本も筍を掘るとなると、そうそう手間をかけて土を掘らなくても、タッタカタッタカ採ってしまえ、ということになる。

今日は3回火を焚いて30本の筍をその日のうちに茹であげた。朝から採りに行って昼から茹でると、あぁいい休日だった、と満足する。田舎の農家って、いいよ。

筍は一晩煮汁につけておくと、えぐみがよくとれる。翌日洗って小分けにして、水につけて冷蔵保存する。筍の先が水から出ないようタップリの水につけておくのがコツで、3日に一度水を代えれば2週間はゆうにもつ。食物の伝統的な保存方法は日本なら塩漬け、西洋なら塩漬けと油漬けだが、共通しているのは空気に触れさせないこと。空気に触れているところはカビが生えたり腐ったりする。

一シーズンで収穫する筍は、ざっと100本。

とうていウチでは食べきれない。水につけたままビニール袋に詰めて、都会の同級生の家にクール宅急便の着払いで送ると、大喜びされる。こっちも嬉しい。残りは冷凍。根に近い硬いところは細切りにすると、青椒肉絲(チンジャオロースー)に最適。

たまには友人を「筍掘り体験」に誘う。

あなたもいかが?

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