8月のしおり 土用には梅干しも日焼けする

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梅干しを初めてつくってみた。

たいていの農家には、柿や梅の果物の木が植わっている。ウチも例外ではなく、裏山の梅の木2本には山ほど梅がなる。もったいないから、去年までは「梅シロップ」をつくって飲んでいたのだが、飲み切れずに翌年まで残ってしまう。

「さぁ今年はどうしよう?」と悩んだ。

筍掘りに来た友人二人に「梅をもぎに来ない?」と誘ってみると、二つ返事でとんで来た。二人ともここよりはずっと都会に住んでいるから、自分の手で食べ物を採る作業に縁がなく、農家体験が楽しいらしい。無口でアウトドア活動大好き、というご主人まで大喜びでついてくる。

おかげで、20キロの梅が有効活用された。わたしは残りの梅と、隣のケイさんが使わないからどうぞ、と言ってくれた梅で、梅干しに挑戦することにしたのだ。

義母が昔つけた梅干しはウマイ。果肉が柔らかく、塩気がほどほどで旨みがある。大きなガラス瓶の中の残りが少なくなってきたから、補充しなくては、と思っていたところだ。毎年300キロの梅干しをつける猛者(もさ)に、つくり方をみっちり教えてもらった。

まず梅を塩漬けにする。なかなか水が上がらず心配したが、なんとかなった。梅雨が明けたら、三日三晩の土用干しだ。「梅は毎夕裏返すのよ」と言われていたが、丸い笊(ざる)に干していると、どの梅まで裏返したかわからなくなるんじゃないかと不安になる。

なに、心配は要らなかった。裏返す前の、日に当たった梅の面(写真の右側)は赤くなっているが、裏返した後の、日に当たっていない梅の面(左側)は緑色が残っていて、カンタンに見分けがつく。わたしは安心して、一人で大笑いした。

梅干しだって日焼けするのだ。

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