11月のしおり 幸せそうなルッコラ

イタリア・欧米 料理・食べ物 自然・動物・農業

ルッコラが幸せそうに茂っている。

植物が「幸せそう」というのもおかしいのだが、晴れた日に畑のルッコラを見ていると、穏やかな太陽の光を心ゆくまま楽しんで、すくすくのびのびと大きくなっている感じがして、「幸せそう」という表現が実にピッタリくるのだ。

畑にルッコラの種をまくのなら、春よりも秋のほうが向いている。葉がいつまでも柔らかく、董(とう 花の茎の意味)が立つのも遅いから長期間食べられる。わたしたちはミラノでルッコラになじんだ。日本の春はイタリアより陽射しがきつく雨が多い。秋が一番イタリアの気候に近いんじゃないかと思う。

手前の葉っぱは普通のルッコラだが、奥の切れこみのある葉っぱはイタリアでルッコラ・セルバーティカと呼ばれる種類で、セルバーティカというのは「野生の」という意味だから、原種に近いんじゃないかと思う。辛みが強い。わたしは少し苦手だが、亭主殿は大好物だ。

生ハムとチーズのパニーニ(サンドイッチ)にルッコラを入れると、まさに気分はイタリアン。チーズはフランス産のブリーチーズが癖がなくてわたしは好きだ。イタリア産の青かび入りゴルゴンゾーラもよく合う。

問題はパンで、砂糖の甘みがある食パンはいけない。バゲットという細長いフランスパンは甘くなくていいのだが、パニーニにはちと堅くて乾き過ぎという感じがする。カンパーニュという大きな丸いパンが、今のところ一番お気に入り。

ルッコラは赤身の肉にもよく合う。ビフテキやポークステーキに沿えるとうまい。豚のスペアリブを塩胡椒してグリルで焼いても、ルッコラのさわやかさは豚の脂っこさと相性がいい。

こうなると赤ワインが欲しくなってくるね。

断然フルボディだよ。

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