え? 烏の豌豆(カラスノエンドウ)じゃなくて、雀の豌豆(スズメノエンドウ)?
そう、写真の右側にある赤紫の花はカラスノエンドウ。子どもの頃は、花の後で豆がなると、鞘(さや)を開いて丸い豆を全部出してから残りの鞘をまた閉じて、口に当てて吹いたものだ。うまくいくとピーピーと音が出る。あなたも鳴らしたことがない?
でね、写真には小さくて白い花もたくさん写ってるでしょ? 写真の左側をよく見ると、カラスノエンドウと葉っぱはそっくりで、一回り小型。これがスズメノエンドウ。カラスより小さいから雀、っていうネーミングが、日本人のしゃれているところね。
このスズメノエンドウ、ウチの裏の斜面にやたらと生えてよく茂り、1メートルまで伸びる。放ってはおけない。
街中のサラリーマンの家に育ったわたしは、雑草を「抜く」ものだと思っていた。ところが農家では「刈る」ものらしい。農家には、庭と呼べるほどご大層できれいなところは少なく、それ以外の敷地がやたらと広いから、いちいち草を抜いてはいられないのだ。となると、草を刈るための道具が要る。
7年前ここに引っ越してきて初めて、わたしは鎌を使い始めた。
鎌というのは木の柄にカーブした刃がついているだけの単純なつくりだが、慣れないものが使うと、うまく草が切れない。鎌を引く時に、まっすぐではなく少し手首をひねるのがコツらしい。が、その角度とタイミングに微妙なものがあって、なかなか難しい。「習うより慣れよ」で、鎌を使い始めてから3年くらい経って、やっとわたしもいくらか扱いがマシになってきた。
カラスもスズメもまとめてエンドウをせっせと刈る。花は可愛いらしくて、ちょっとゴメンナサイだけどね。
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