2021年6月のしおり 梅もぎツァー

各月のしおり 自然・動物・農業

ウチの裏山には 隣家の倉庫際に梅の木が2本あって、毎年6月の第1週に実をもぐ。都会の友人を梅もぎに誘うと、今年も来ると言う。

「破れ傘があったら持って来てね。傘の柄の曲がったところに梅の枝を引っかけて下ろすと、高い枝の梅も楽に採(と)れるから」と頼んでおく。

友人が来たら長靴を貸し、「ズボンの裾は長靴の中に入れてね。カッコ悪いと思うだろうけど、地面から虫が上ってきても足の肌まで来れないの」と農家ルックの指南だ。

「え、虫って、ダニとか? あれ危ないんでしょ?」と都会人はビビる。

「ダニはいるいる。わたし4回はやられてる。パンツの中を食われた時には3カ月痒(かゆ)かった。でも、マジで危なくなるのは10人に1人もいない。体力が低下してるとか、ダニにウイルスがいたとか、よっぽど悪条件が重なった時だけみたいね。皮膚科医には『ダニに食われた後で、もし高熱が出たら、病院に行ってダニに食われたと言いなさい。熱が出なかったら心配はいらない』って言われた。ほかには蟻(アリ)に刺されても痒いし、名前のわからない虫もいろいろいるのよ」

友人は不安そうだったが、いざ梅の実を採り始めると、虫どころではない。

「まぁコロナでお籠りが続いて家の中ばっかりでしょ、こんな青空の下で梅をもぐの、気持ちいいわねぇ!」

「木陰は涼しいわ。風がいい」

「収穫って楽しい。なってる実は全部見つけて採りたくなる」

「ホラ、あそこ、まだ残ってる。あなたの左上の方」

という具合で、バケツ5杯分の実が採れた。その後は車庫でお互いが少し離れてお昼を食べ、マスクしてお喋りがはずむ。コロナ下でも、これならたぶん大丈夫だろう。

田舎バンザイ。

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