2023年4月のしおり 田布施町 後井古墳

各月のしおり 文化・スポーツ

「筍掘り・田舎体験ツアー」に今年4組を招待したら、3組目の友人が古墳好きだった。ついでに近くの古墳を見たいと言う。

探してみると、柳井市の茶臼山古墳が立派らしい。行って驚いた。瀬戸内海を見下ろす高台に、予想よりはるかに大きい前方後円墳。「前方」部分だけでテニスコートが優に入るだろう。

これだけの小山を造り石を敷き詰めるのにどれだけの労働力が要ったかと思うと、その豪族の権力がしのばれる(駆り出された一般庶民には同情する)。地表には赤い家形や筒型の埴輪もたくさん並べられて、豪華。資料館の「四神四獣鏡」のレプリカは模様が繊細でデザインも見事、わたしは気に入った。本物は東京国立博物館にあるらしい。へーえ。

しかし、実はさらに驚き、感動したのは、わが田布施町の後井(ごい)古墳群。

山の中の細道に車を停め、歩いて坂を上ると鬱蒼と竹が茂る中に小さな古墳。

「中に入れるよ!」と友人が喜ぶ。「古墳てねぇ、ふつー入れないのよ。わたし何十か所も回ったけど、入れたことないもの。なんてラッキー!」

横穴の入口は少し低く、頭を下げて歩かないといけない。だがその壁や天井の石がでかい。そして天井の高い玄室まで入ると、もっと石がでかいではないか。広さ3畳以上ある。ぶら下がるコウモリがご愛嬌だ。

庭仕事をしているとわかるが、土は重く、石はさらに重い。これだけ巨大で重い石を6世紀ごろ、どうやって運んで組み上げたのだ!? エジプトのピラミッドにはとうてい及ばないが、巨石の迫力には圧倒される。その迫力はたぶん、昔も今も変わらない。つまりわたしは、6世紀の人と同じ感情を共有している。「時を越えて」いるのだ。

古墳ってすごい。また行こう。

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