裏の畑から、エンダイブというイタリアの苦いチシャをとってきて晩ご飯用に洗っていると、カタツムリの赤ちゃんがいた。
なんて小さくて、かわいいの!
けなげに角を伸ばして、今からどっちに行こうか考えてるみたい。
しかも殻がきれいな黄緑色。
緑の葉っぱばっかり食べてると、殻まで緑になるのかな? それとも、カタツムリは殻を自分で作って、殻の真ん中が一番初めに作ったところだから、生まれたばかりの頃の殻が緑色だったのかな?
今年はなぜか、この殻が緑のカタツムリの赤ちゃんをたくさん見る。平年より高温多雨の気候が向いているのか。
イタリアでは、フランスと同じようにカタツムリを食べていた。でも殻が緑色のカタツムリを見たことはない。一度だけわたしもパーティでカタツムリのバタ焼きを食べた時は、さして味がなく、食感はすき焼きの中のお麩みたいだと思った。
まぁ、このおチビさんを食べようとは思わないわね。
指で殻をつまんで掌にころがすと、平気でわたしの手を這(は)い始める。カタツムリが小さいせいか、皮膚の感触はほとんどない。これだけ可愛らしいと、手を這われても気持ち悪くない。でっかかったら大声上げて振り飛ばしてるだろうにね。人間て勝手なもんだわ。
ハイハイ、外に逃がしてあげよう。でも野菜はあんまり食べないでね。たくさん雑草を食べてくれると嬉しいな。
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