トルコに行ってきた。
夫婦で外国旅行は初めてだ。トルコを選んだ理由は2つ。1つは、欧米以外の、まだ知らないところに行ってみたかったこと。もう1つは、ヨーロッパとアジア、あるいはキリスト教世界とイスラム教世界との接点にあたる国に興味があったこと。
行く前に下調べをして、新石器時代の大きな遺跡に興味が湧いた。紀元前6,000年ごろだ。想像もできないほど、古い。ネットで見たツアーの標準コースからあまり離れていない、チャタル・ヒュユクという場所に行くことにした。
実におもしろかった!
遺跡はサッカー場よりはるかに広い。不思議なことに、日干し煉瓦づくりの家は連続して建てられ、1階には窓も戸口もない。つまり、家の主な用途は台所と寝室、倉庫だろう。家の出入口は天井の穴で、人々は平たい屋根の上を道として歩き、下の地面とは取り外し可能な梯子で上り下りしていた。狼などの野生動物から家族や食料を守るためだったらしい。なんて生活だ!
そして、家の中の壁の1つには装飾の痕があり、その手前の地面からは人骨が発見されている。どうも親や祖父母、若くして死んだ子など、身内の骨らしい。家の中に墓があるのは祖先崇拝と考えられる、という。
それを聞いて、好きで大切だった身内の骨なら自分の身近に置いておきたい気持ちに共感できた。今から8,000年前の遠い地の人たちに、わたしは一気に親近感を感じた。
遺跡では、いろんな動物の骨や、草や木の種も見つかっている。ガラス質のきれいな黒曜石の石器もだ。現代から考えるとおそろしく非効率で不便だったろうが、ド田舎の農家に住んでイノシシを捕まえているわたしには、「確かにわたしたちの祖先だ」と思わせるものがあった。
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