亡くなった義父はツツジが好きだったらしい。家のすぐ裏のこの斜面に40本、一段上の斜面に20本、その他に40本、と計100本のツツジがウチの敷地に植わっている。
花の色は目の覚めるような朱色、これも鮮やかな濃いピンク、薄いサーモンピンク、白とピンクの混じったの、とさまざま。咲く時期がずれるので一斉に満開とはならないが、それでも華やか。同じ色の花があちこちにあるのは、たぶん義父が挿し木で増やしたのだ。マメな人だったらしい。
この斜面はわたしが結婚する前の年に「杖が抜けた(土砂崩れした)」という話。その後、土留めの意味もあって義父はツツジを植えたのだと思う。今年の豪雨でも斜面は崩れなかった。
ここの傾斜が45~60度ほどか。上の斜面はもっと急で、作業にはかなりの根性と慎重さが要る。
剪定用の電気バリカンを買ってから、ずいぶん刈り込みが早く楽になった。とはいえ例年、一番上の墓のある土地まで来ると、盛大に伸びた草と笹を刈るだけで手いっぱいになり、冬にツツジを刈っては次の年花が咲かなくなってしまう。
この5月から6月にかけて、わたしには英訳が立て続けに入っていた。一時期仕事がないと嘆いていたことを思えばありがたい話だが、少々くたびれた。そこで翻訳会社に「毎年この時期にツツジを100本刈り込みます。草刈りと後始末も必要です。7月末までは翻訳できない日が多くなります」とお断りを言ってみると、幸い了解してもらえた。
ま、東京の担当者にはかなり呆れられたに違いない。使えない翻訳屋だ、とみなされたかもしれない。
7月20日には90本近く刈り終わった。さぁ、今年こそは8月までに全部済ませたい。義父も墓の中で喜んでくれるだろう。
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