南イタリアの美味しいショートパスタ オレッキエッテ・コン・チーマ・デ・ラーパ

イタリア・欧米 料理・食べ物

ショートパスタとは、文字通り短いパスタ類の総称で、マカロニや蝶々型のファルファッラ、ねじねじ型のフジッリなどがある。以前ミラノに住んでいた時には、残念ながらあまり美味しいと思ったことがなかった。

ところが2年前に南イタリアの息子宅に来てみると、嫁さんが出すショートパスタ料理がいけるではないか。

写真のショートパスタはオレッキエッテという名前。形が耳たぶ(オレッキオ)に似ているからだ。パスタにからまっているのは、イタリアでチーマ・デ・ラーパ(蕪の先っぽ)と呼ばれる蕪(かぶ)の葉っぱ。日本の蕪とは違い、薹(とう)が立って、つまり茎が伸びて、小さなブロッコリーのような花芽がついてから、使う。

しかも、葉っぱと柔らかい茎だけを切って、パスタと「一緒に」グッチョンチョンに柔らかくなるまで茹(ゆ)でる。日本人としてはこの段階で「エ~?」なのだが、イタリアでは加熱野菜が決まってひどく柔らかいことは、わたしも知っていた(ミラノで乳がん切りました/八章)。そしてオリーブオイルで煮るように炒めた薄切りのにんにくと、油漬けのアンチョビで和(あ)える。

食べてみると、蕪の葉っぱのうま味・甘味がパスタによく染みて美味しい。プーリア州の名物料理らしい。スパゲッティよりショートパスタのほうが、ソースの味がよく絡んでいいようだ。

地元のリストランテ(レストラン)に行くと、よく店でつくった自家製のパスタが出る。ショートパスタはイタリアでも南の方でよく食べるらしく、土地の人が「北イタリアより南イタリアの方が料理が美味しいでしょ」と自慢げに言うだけのことはある。ミラノしか知らなかったわたしにとって、イタリア再発見だった。

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